海外にいる外国人を日本に呼び寄せたいと思ったとき、
- いったい何のビザがあれば日本に呼べるのか
- 自分の場合はどのビザに当てはまるのかがわからない
といったことが多いのではないでしょうか?
ここでは、外国人を日本に呼び寄せるために必要なビザを判断する方法について解説します。
外国人の呼び寄せで必要なビザの判断方法
ビザには大きく分けて、短期のビザと中長期滞在できるビザがあり、中長期に日本に住むためのビザには、俗に就労系と言われる日本で働くためのビザと、日本人の家族、永住などの個人の身分・地位に基づくビザ、留学などのその他ビザがあります。
また、短期の滞在であっても、観光や会議などの短期商用ではなく日本で報酬が発生する場合には、どんなに滞在日数が短かったとしても就労系のビザを取得しなければなりません。
短期滞在ビザ
短期滞在ビザには、大きく分けて親族知人訪問と短期商用と呼ばれる自分のやっている仕事に付随するビジネス目的で来る場合があります。ビザ免除国以外の国からそのような目的で来日する場合は、現地の日本大使館、領事館で短期滞在のビザを申請する必要があります。
短期滞在ビザの免除国については、頻繁に変更が行われていますので、外務省のホームページなどで確認すると良いでしょう。(「ビザ免除国」などと検索すると出てきます。)
ビザ免除国以外の国(中国、インド、ブラジル、ロシア、フィリピンなど)から呼ぶ場合、日本にいる保証人は、申請書や身元保証書その他必要書類を申請人に送ります。それらの書類は、原本が必要ですのでメール添付で済ませることはできません。そして、それを受け取った申請人が直接、写真や旅券(パスポート)を添えて、現地の日本領事館(大使館)に申請します。日本で招へいする側が本人に代わって手続きを取ることはできません。
短期滞在で許可される日数
短期ビザで許可されるのは通常90日で、病気・ケガなどの特別な事情がなければ日本に滞在しながら「短期滞在」を更新することは原則できません。
また、いったん出国後短期間で再度短期ビザで入国を希望する場合、単に間の期間が短いからという理由だけで上陸を拒否されることはありませんが、1年のうち180日を超える場合は、居住し住民税の支払い対象者になりうることから、中長期のビザを申請して審査すべきであり、再度の上陸が許可されないとされています。つまり、90日のビザを持った人がいったん帰ってすぐ来日したとして、2回目までは許されますが、1年のうち3回それを繰り返すことはできないということです。
就労可能なビザ
日本で働くことができるビザには、働くことができる業務が限定されているビザとされていないビザがあります。
限定されていないのは、日本人の家族や永住ビザを取った外国人、連れ子などの定住者など、その方の身分や地位にもとづくビザを持っている人です。
働く内容が限定されているのは、教授・芸術・宗教・報道・経営管理・法律会計業務・医療・研究・教育・技術人文知識国際業務・企業内転勤・興行・技能・特定活動の一部・技能実習といった分類がされているビザです。
それぞれのビザには、行う業務の内容が決められていて、それを行うことができる外国人の学歴や職歴といった要件も定められています。
資格外活動許可について
日本に中長期で住む方は、必ず何か1つの「在留資格」が与えられています。その中で、上記の就労が限定的に許可されている在留資格を持っている方は、その業務以外の仕事を行って報酬を得ることは原則としてできません。(メインでない形で「資格外活動許可」を取って行うことは可能です。)
それぞれのビザの業務内容はここでは触れませんが、基本的に「技術・人文知識・国際業務」という翻訳・通訳、海外渉外、システム開発、英語教師などいわゆる大卒者がするホワイトカラーの仕事がほとんどで、コックさんなどの「技能」、ダンサーなどの「興行」は、職歴・雇用主などの要件が大変厳しくなっています。
また、留学生でアルバイトしてもらっていた方に、卒業後も正社員として接客や清掃、工場の作業などの単純労働を続けてほしいと思っても、簡単には雇えません。2020年6月現在、「特定技能」という在留資格が始まっていますが、日本語やその技能のテストに合格したうえで、会社にも申請人を保護する様々な規定が定められています。
間違えやすいのですが、留学生がどんな職種でも働けるのは「資格外活動許可」を取った場合、週28時間(長期休暇中は1日8時間)まで「包括的許可」といって職種を限定しないで働いていい許可を得ているからです。その時間内であれば業務内容の限定はありません(風俗業を除く)。コンビニや居酒屋で見かけるのは、こういった留学生のアルバイトがほとんどです。
地位に基づくビザ
日本人の子や日本人と結婚した外国人、その連れ子や親といった方が取るビザは、日本人と家族になったという身分や地位に基づいて出されるビザです。
日本人の家族となったので、日本にいる間に行う活動に制限はありません。ですので、例えば風俗業で働くことも不可能ではありません。
しかし、通常結婚してからも風俗業を続けるのは望ましくなく、更新時に不利益になることがあります。ビザ目的で真摯な実態のある婚姻ではないと見られる可能性があるからです。
結婚に基づいてビザを申請する場合、短期滞在で来日後、結婚式を挙げそのまま帰国せずに「日本人の配偶者等」に変更申請を出すことも可能です。
必要なビザや書類の作成でお困りのときは
以上のように、海外にいる外国人を日本に呼びたいと思っても、必要とするビザはそれぞれ違います。
誤った解釈で外国人を呼んでしまい、気が付かないうちに不法就労になっていたという可能性もあります。
判断に迷ったり、必要書類がわからない場合には、ビザ専門の行政書士に頼むのが確実に速くビザを取得する近道です。電話・メールでの相談は無料なので、お困りの際は、まずはお電話・メールにてお困りごとをお聞かせください。