音楽や演劇などの公演以外でも、ファッションショーや新商品発表イベントなどに出演するため、つまり宣伝や芸能活動で来日する外国人にもビザ(在留資格)は必要です。
短期滞在ビザではなく興行ビザが必要
従来、特に宣伝活動に伴うイベント出演については、短期滞在のビザで対応してきた流れがあり、入管法上明らかに興行ビザが必要な場合でも、関係会社や当の外国人から「必要ない」「短期滞在ビザで対応したい」と抵抗を受けることもあります。
しかし、最近は宣伝や芸能活動といったケースでも入国審査が厳しくなり、最悪の場合、空港で上陸を拒否されてスケジュールがとんでしまうこともありえます。
外国から招へいする会社のコンプライアンスの観点からも、イベント開催の安全性からも、法令にのっとって宣伝や芸能活動においても興行ビザを取得することをお勧めします。
日本領事館(大使館)へのビザ申請を事前に説明する
ただし、これまでビザ免除国にお住まいで、かつ短期滞在で宣伝・芸能活動のため来日を繰り返してきた方は、日本で取得した興行ビザの在留資格認定証明書を持って、現地の日本領事館(大使館)にビザの申請に行くという2段階のステップを嫌がる方もいらっしゃいます。
在留資格認定証明書の交付申請をする前に、興行ビザの流れを先方に説明し、了解を取ったうえで進める必要があるでしょう。
また、宣伝や芸能活動でイベント等に出演する外国人に、マネージャーやヘアメイクなど同行する外国人がいる場合、その方にも興行ビザが必要になります。さらに、ファッションショーにおけるデザイナーや映画監督など、その活動が独立して行いうるものであれば、それも興行ビザの範疇に入ってきます。
興行ビザが必要となる宣伝や芸能活動
では、実際どんな宣伝や芸能活動であれば「興行ビザ」を取得すべき活動にあたるのでしょうか?
例としては、以下のようなものがあげられています。
- 商品や事業の宣伝に係る活動
- 番組 ・映画の出演 ・製作等に係る活動
- 商業用の写真撮影に係る括動
- CD等の録音・録画を行う活動
他にもいくつか例が挙げられています。
「プロモーションビデオ撮影のために外国の歌手等が来日する場合,本邦の企業等から報酬を受け取らないものであっても,専属契約により本邦での活動により報酬が発生するのであれば, 「短期滞在」の在留資格に該当せず, 「興行」に該当する。」
日本の会社が直接報酬を支払わないケースも注意
つまり、日本の会社が直接本人に報酬を支払わないケースでも、活動が宣伝、芸能活動にあたる場合は、興行のビザを取らなければならない、ということです。
よくあるのが、CM出演その他メインの広告、芸能活動が海外で行われ、それに付随する日本での広告、宣伝活動が1つの契約書で定められ、報酬も一体となっている場合です。そのような場合も、上記の考え方から、興行ビザの取得をご検討ください。
また、ファンイベントなどでお客様を集めてそこに出演する場合は、本ページで触れている「宣伝、その他芸能活動」ではなく「興行」そのものになるので、会場、報酬などでコンサートと同等の要件が必要になってきます。お金を取らないでファンにサービスするものだからと気軽に考えないよう、注意が必要です。
外国製品等の実演や展示会・即売会での宣伝
その他の例は、こんなものがあります。
- 展示会、物産展等において、外国の製品等の実演を行う活動
- プロの写真家や画家が写真又は絵画の展示会 ・即売会において宣伝を行う活動
しかし、唯一の例外と言って良いのが、以下の規定です。
- 映画の宣伝のために来日する者のセレモニーの参加や舞台挨拶等の活動は,「短期滞在」の在留資格に該当する
厳密に考えると、なぜ映画の宣伝だけ例外とされるのかわかりませんが、ここでは触れません。
しかし、映画の舞台挨拶でもそのサントラの発売告知のためにアーティストがパフォーマンスをする場合などは興行ビザにあたります。
宣伝、その他の芸能活動が可能な要件は、以下のようになります。
- 本人の経歴から興行活動を行う能力を有していること
- 日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上であるもの
外国人を日本国内に呼ぶ際の在留資格申請
以上が外国人の宣伝・芸能活動に関する在留資格取得上の注意点です。企業のご担当者様の中には、知識は十分にお持ちでも、必要書類を準備したり、入国管理局へ行って申請をしたりするための時間が取れないという場合もあるかと思います。
興行の在留資格は、最初に招へい元となって外国人を呼ぶ場合は約1か月かかっていますが、正しい基準にのっとって、きちんと必要な書類を揃えれば、イベントの期日に配慮して早めに許可を出してもらえる場合あります。
在留資格認定証明書を海外に送って本人が日本領事館でビザを発給してもらう日数も考えると、迅速かつ確実に日本での手続きを進める必要があります。
興行ビザに詳しい行政書士に相談してみませんか
当事務所では、このような外国人の宣伝・芸能活動を含むイベント招へいでお困りのお客様からのご相談を頂き、これまでに多数の興行ビザ申請のお手伝いをしてまいりました。
事務所代表の世利は、長年レコード会社で働き、エンタテインメント業界にも精通しております。業界の常識をいちいち説明することなく手続きの相談ができると大変ご好評をいただいています。
興行ビザは、他の就労系ビザとは要件の当てはめや必要な知識がかなり違っており、やり慣れていないとビザ専門の行政書士でも扱いがわからないこともありえます。ぜひ、イベント開催における外国人の招へいでお困りの担当者様は、申請実績の豊富な当事務所まで、一度ご相談いただければと思います。
等事務所では、一般的な興行ビザ申請の手続き代行だけでなく、イベント開催に当たっての舞台制作、宣伝、などでお困りの企業様に対して、それらを含めたサポートやコンサルティングを行わせていただいた事例もございます。全般、合わせてお気軽にお問い合わせください。
宣伝や芸能活動における外国人の招へいをサポート
当事務所では、宣伝や芸能活動における外国人の招へいに伴う興行ビザの申請につき、必要な諸手続を代行させていただくサービスを提供しています。
サービスに含まれる内容
外国人招へいに関するご相談 | ○ |
---|---|
興行ビザ申請の書類、理由書作成、添付書類の収集サポート(実費負担いただきます) | ○ |
入国管理局への申請代行(お客様は入管に行く必要はございません。) | ○ |
追加書類の提出、質問への対応 | ○ |
在留資格認定証明書の受取り、お引渡し(当事務所に在留資格認定証明書が送られてきます。それをお客様にお渡しして完了です。) | ○ |
報酬額
着手金(税抜) | 業務完了時(税抜) | |
---|---|---|
在留資格認定証明書交付申請 | 50,000円 | 50,000円 |
グループ申請、同一イベント複数申請の場合は割引がございますので、別途見積もりをいたします。お気軽にご相談ください。 |
その他必要な諸費用
申請書類取得、郵送代など実費が2,000円程度かかります。
手続きの流れ
お問い合わせ | 「お問い合わせフォーム」から、またはお電話でお問い合わせください。電話、メールでのお問い合わせは無料です。面談の場合は5000円ですが、ご依頼いただいた場合は、無料とさせていただきます。 |
---|---|
ご依頼 | 予定しているイベントの日時、場所、外国人の経歴、契約状況などを伺い、よくご説明し見積もりに納得していただいた上で、業務に着手します。
着手金として報酬の50%、許可後に実費と残りの50%をお支払いいただきます。 グループ、同一イベントの複数申請は割引がございますので、別途見積もりいたします。 |
申請準備 | 着手金のご入金後、必要書類をご案内します。代理で取得が可能なものは当事務所で取得します。出演承諾書の作成相談なども承ります。その他の書類(来日予定表、チラシ等)の作成もお手伝いします。申請書の準備ができましたら、サイン、押印いただきます。 |
入国管理局に申請 | 申請取次行政書士が申請を代行します。お客様が入国管理局に出向く必要はございません。 |
追加提出書類、質問への対応 | 入国管理局からの質問、追加提出書類通知があった場合、こちらで対応いたします。 |
許可の受取り | 在留資格認定証明書を郵送で受け取ります。受け取り次第、お客様へお引き渡しして、業務完了となります。 |
万が一不許可になったときは、お客様と一緒に不許可理由を聞きに行き、ご希望があれば再申請いたします。ただし、申請の段階で真実を隠していた、嘘を言っていたなど不許可理由が御社・本人にある場合は、再申請いたしません。
ビザ取得までに必要な日数
招へい主が初めての申請のとき | 1か月~2か月 |
---|---|
以前に申請したことがあるとき | 3週間~1か月半 |
ご相談の際に教えて頂きたいこと
相談をご希望の際は、以下の情報を教えていただけると、状況把握や判断がしやすくなるため相談がスムーズです。
- 予定しているイベントの日時、場所、内容などの詳細
- 招へい予定の外国人の経歴などが分かる資料
- 御社の過去の招へい実績(もしあれば、お分かりになる範囲で)
外国人の宣伝・芸能活動に関する在留資格の申請は、判断に迷われることも多いかと思います。何かわからないこと、疑問に思われたことがございましたら、お電話・メールにてお問い合わせください。お電話・メールでのご相談は、原則無料です。