ライブハウスやレストランでの演奏やイベントに外国人を招へいしたいという方はとても多く、当事務所へも興行ビザのご依頼、お問い合わせが大変多いです。
しかし、同じライブハウスやレストランでもビザが取れる場合と取れない場合があり、場所や日程を決めてからお困りになっている方もいらっしゃいます。
ここでは、よく聞かれる質問について、「興行ビザのための場所選定3つの間違えやすいポイント」をまとめました。
1.従業員が5人以上いるライブハウスやレストランでしか呼ぶことができない
確かに基準1号の中に施設の要件があり、「当該施設の従業員の数が五名以上であること」と書かれています。それで上記のような噂が広まっているようですが、絶対にできないというわけではありません。
ライブハウスでの公演でも
- 「1日当たり1グループ報酬50万円」の要件を満たすことが出来る
- ライブハウスでも100名以上の定員があり,客席と一体性のある場所での飲食の提供ではなく、区分されたロビーにカウンターがある。
1か2のどちらかを満たせるような場合は、基準2号の適用が可能になりますので、ライブハウスなどで従業員が5人いなくても使用することができます。
同じように、「十三平方メートル以上の舞台」「九平方メートル以上の出演者用の控室」も基準2号の適用ができるときには考えなくても大丈夫です。
2.商品の発売記念イベントや握手会など歌唱しないファンミーティングなら、飲食の提供がある場所でも大丈夫
たしかに基準省令を読むと、「興行に係る活動以外の芸能活動」、たとえば「商品又は事業の宣伝」であれば、場所については定められていません。
また、「興行」について、審査要領では「「興行」とは,特定の施設において公衆に対して演劇,演芸,演奏,スポーツ,サーカスその他のショー等を見せ又は聞かせること」となっており、一見、無料の商品購入者向けイベントや演奏しないファンミーティングはどの場所で行ってもよさそうです。
しかし、現在の入管での運用では、プロである芸能人がその芸能活動をする場合、上記のような内容でも1に書いたような場所の要件に当てはまっていないとならない、とされています。また、間違えやすいのですが、そのイベントが有料でも無料でも関係ありません。
例えば、DVD発売タイミングで購入者向けにカフェで無料インストアイベントをやろうとしたらNGだった、というようなことがありますのでご注意ください。
3.飲食の提供があるスペースでもイベント中に営業していなければ大丈夫
これもよくある間違いなのですが、飲食の提供のあるスペースでもイベントをやっているときに飲食店営業をしていなければ使っても大丈夫といううわさがあります。
しかし、これも現時点では難しいとされています。カウンターに布をかければ大丈夫というのは、誤った情報です。ただ、微妙なケースでは開催場所の図面やイベントの詳細を持って入管に事前相談に行くことをお勧めします。
以上、外国人を招へいしてのイベントでは、場所の選定にも他の要素とからんで難しい面があります。
場所や日時を決めてチラシやチケットを売り出してからビザが取れないといったことにならないよう、事前に専門家に相談するなどして慎重に決めるようにしてください。