- 日本に興味があり、日本でビジネスをして暮らしたいが、会社の作り方やビザの取り方がわからない。
- 留学生や外国人の家族として既に日本に住んでいるが、今度ビジネスを始めたいと思っている。しかし、どんな会社を作り、どんなビザ変更手続きをすればよいのかわからない。
- 既に海外で会社を持っているが日本に支店や支社を出したい。
日本国内で会社を設立してビジネスを始める
日本でビジネスを始めたい、会社を作りたい人にとって、会社の設立手続きは大変わかりづらく、また資本金を入れる銀行口座が日本に住所がないと作れないなど、沢山のハードルがあります。
また、ただ会社を作ればよいというわけではなく、日本で長期的に住むビザを取るためには必要な条件がいくつもあります。それを知らずに会社を作ってしまって、事務所の移転をしなくてはならなかったり、登記の変更を3万円かけてしなくてはならなくなったりもします。
自分で日本でビジネスを始めるには正しい順序で正しいやり方で会社を作りビザを申請しなければいけません。
会社設立と在留資格(経営ビザ)
では、日本でビジネスを始めたい人はどのようなビザが取れるでしょうか?
日本では、そのような方のために「経営・管理」というビザがあります。
以前は「投資経営」という名前でしたが、2015年4月から、名前が変わり条件も少し変更になりました。
例えば、これまで本人が500万円以上の投資をする必要がありましたが、本人以外の投資も含めてよいことになったり、国内資本の会社の経営もできるなどの変更です。
その代わり、その場合はより詳細な事業計画、本人のその会社における役割分担などを丁寧に説明する必要があります。また、よく中国の富裕層の方などが不動産投資をしてビザを取れるかと問い合わせがありますが、アジア諸国などで見られる投資移民ビザにあたるものは日本にはありません。
経営管理ビザは、日本でビジネスをやるつもりの方のためのビザになります。ですから、実際に経営する方、通常、代表取締役社長または経営にかかわる役員である必要があります。
経営開始のために多額の投資が伴いますので、ビザが取れなければ多額の損害となります。最近、入管の審査においても、事業の実現が可能か、継続して行うことができるか、資金はどうやってためたかなど非常に厳しく審査され不許可になるケースも多く、慎重に取り組まなくてはいけません。
経営管理ビザのために必要な条件と流れ
ここでは、新しく会社を作る場合でご説明します。
事務所(オフィス・店舗など)が確保されていること
基本的には自宅とオフィスは分けることが望ましいです。どうしても自宅でという場合、会社と住居の入り口が別々になっている、はっきり住居部分と区別されて表札、机、電話など事務所機能を整える、電気・水道などの公共料金の費用分担も決める、貸主との間で事務所として使用する合意があるなどの厳格な条件を満たさないといけません。
最近増えているレンタルオフィスは、個人のブースなどの区切られたスペースを確保している必要があり、バーチャルオフィスなどは許されません。月ごと契約などの短期契約もだめです。
500万円以上の投資または2名以上の常勤職員
資本金500万円以上で株式会社等を設立します。この500万円については、設立登記の際に日本の銀行の個人口座に預け入れます。会社を作りたい外国人が日本の銀行口座を持っていない場合、共同で代表取締役となる協力者の銀行口座に振り込みます。
ただ500万円投資すればよいというわけではなく、そのお金はどこからきたものか出所を説明することも重要です。自分で貯めた場合は、通帳のコピー(少しずつ増えている形跡)、親類や知人から借りるときは金銭貸借の契約書と返済計画表、親からもらったり借りたりするときは親の通帳から自分の通帳にお金が振り込まれたことがわかる通帳のコピーなどが必要になります。
注意点としては、留学生時代に資格外活動でためたアルバイトのお金をそのまますべて資本金にあてることはできません。留学生のアルバイトは、生活費を補てんするために特別に許されている活動だからです。
2015年の改正により、本人の500万円の投資が必須ではなくなりましたが、他人と共同で設立するような場合でも資本金は500万以上あり、本人がその会社で経営責任をもって活動することを事業計画書などから明らかにしなければなりません。
投資額が500万円に満たなくても、2名以上の常勤社員を雇えば大丈夫です。しかし、常勤社員は日本人または永住者など就労ビザ以外のビザを持っている外国人であることが必要です。つまり、この会社で就労ビザを取る、または持っている外国人を雇っても、ビザを取る際の「常勤社員2名上」に数えられないということです。また、社員を雇った場合は、社会保険に加入しなければなりません。
事業内容の実現可能性、安定性・継続性が見込まれること
最初にも書いたように、現在の日本では投資だけをして取れるビザはなく、申請した事業に実現の可能性があるか、その事業に本人はなくてはならない役割を担う存在か、また将来的に安定的、継続的に事業ができるかといった点を書類の上で説明しなければなりません。
そのために、売り上げや収支の見込み、取り引き予定先や販売ルートなどの事業計画書を提出しなければなりません。新規にビジネスを始めるために「経営管理ビザ」を申請する場合、この事業計画書が一番大事になります。夢物語ではなくしっかりとしたマーケティングやプランにもとづき、現実味のある計画を立てなければなりません。販売予定の商品の単価や仕入れ先、販売先との契約書、在庫の置き場所など説明しなければいけないことは沢山あります。そのプランの実現にいつ何人雇用するのか、その場合の人件費はいくらなのか?などについても考えなくてはいけません。
ただ、その計画で最初の年から黒字(利益が出ること)である必要はありません。1年目は開業にもお金がかかり、まだ軌道に乗る前で利益が出ないのは普通のことです。無理矢理利益が出るような嘘の計画を立てるのではなく、実現可能な計画を立て、それが実現可能だという証拠を集める方がはるかに重要です。
また、飲食店、中古品の輸出、旅行業、不動産業など許認可が必要なビジネスを始めたい場合は、その業務を行えるだけの店舗や人の確保をしたうえで保健所や警察、都道府県などから許認可を取らないといけません。例えば、飲食店であれば「食品衛生責任者」、不動産業であれば「宅地建物取引士」といった資格を持った人がいないと事業を始めることができません。自分で取ることが難しればその資格を持った人を雇う必要があります。
経営管理ビザ取得の流れ
経営管理ビザの必要書類
在留資格認定証明書交付申請書 | |
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写真(縦4㎝×横3㎝) 1葉 | 申請前3ヶ月以内に正面から撮影された無帽、無背景で鮮明なもの。 |
返信用封筒(簡易書留用) | 返信先住所を明記し、404円分の切手を貼付したもの。 |
事業計画書の写し | 複数役員がいる場合、その役割分担、申請人が経営について直接的にかかわることがわかるもの |
登記事項証明書の写し | |
未登記の場合は、定款の写し | |
賃貸契約書の写し | 使用目的が「事業用」であること |
決算書の写し | 既に事業を開始している場合。これから開始する場合は給与支払事務所等の開設届出書の写し等 |
常勤職員雇用または出資金500万の要件を満たす資料 | ① 常勤職員の総数を明らかにする資料(2名以上の常勤雇用がわかるもの)
※賃金支払にかかる文書・住民票等、採用途中の場合は、関係書類や進行状況などを説明する書類をつけます。 ② 資本金の額又は出資の総額を明らかにする資料 ※株主名簿、協力者の通帳に申請人が500万振り込んだことがわかる通帳コピー、資金の出所がわかる書類 |
役員報酬に関する資料 | 役員報酬を定める定款の写し、株主総会議事録の写しなど |
許認可が必要な業種の場合、その許可証 |
経営管理ビザ取得代行費用
上記でご説明しました経営管理ビザの申請手続きを、行政書士にお任せ頂く場合は、以下のような報酬額や登録免許税等がかかります。
手続き内容 | 料金等(報酬額は税抜) |
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「経営管理ビザ」新設法人の場合のビザ | 180,000円~ |
事業計画書作成込の場合のビザ申請 | 250,000円~ |
会社設立 | 120,000円※ |
※会社設立の際は、そのほかに司法書士報酬、登録免許税、印紙代として200,000円程度が別途かかります。 |